丸山九段フォーカス 第5回

2か月ぶりとなった丸山九段フォーカス
更新頻度が低く目に留まることも少なくなってきている人が多いと思いますがひっそりと更新していきます・・・

今回は順位戦B級1組の豊島七段戦。ここまでの対戦成績は豊島七段の3勝。丸山九段としてはまず1勝を返したいところです。

戦型は先手丸山九段の角換わり腰掛け銀。定跡型の進行でしたが豊島七段が△2四銀の新手を放ちます(第1図)。角換わり腰掛け銀では△3五歩▲同歩△2四銀と桂頭めがけて動く手がありますが、単に銀が出るのは初めて。矢倉の4六銀型では△2四銀と事前に桂の当たりを交わす手はありますが、角換わりではありませんでした。中央が薄くなるというのがその理由の1つではないかと推察します。
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ということで、▲4五歩と仕掛け、以下△同歩▲同銀△5九角▲3八飛△4五銀▲同桂△4四銀(第2図)と進み、後手が先手の攻めを押さえこめそうな展開になりました。
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 豊島七段が手堅く進め、優位を築きながらも丸山九段も粘って第3図。終盤の1つの分岐点です。
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ここで▲8四玉なら入玉できそうですが、指し手は▲7七桂。棋譜コメには持将棋を考えてのことかとありましたが果たして・・・。ちなみに飛車を取るのは3手詰みです。
豊島七段は△8一歩▲同馬と馬の位置をずらしてから▲8三歩。飛車取りを放置して入玉を阻止し、先手玉を寄せる意思を見せます。

しばらく進んで第4図は▲5一飛に△3二金寄としたところ。ここで▲2四桂が勝負手。△同歩とすれば玉の逃げ道をふさぐことになります。これを△同歩とするとどうなったのか興味はありますが。。。豊島七段は△7六銀成と迫ります。
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以下、▲3二桂成△同金▲4四角と王手飛車をかけさせます(第5図)
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ここでとりあえず竜を取るかと思いきや、▲7六金!と銀を補充し、△同竜に▲2二銀△同金▲同角成△同玉▲3二金△同玉▲5二飛成△3三玉▲4四銀△同玉▲4二竜△5五玉▲4五馬と進み、豊島七段投了。投了以下は▲5六馬△6七玉▲7八金と9七の玉まで利く詰みとなります。手数183手、終局時刻1:44の大熱戦でした。

丸山九段は93手から一分将棋となるなど追い込まれましたが、最後の最後で逆転勝ち。2週間後には王座戦の挑戦者決定戦でもこの2人が戦います。そちらも注目ですね。

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