C級1組 第3節

どうもShimaです。
順位戦のC級1組・C級2組の一斉対局より面白い将棋を一局ピックアップして紹介する、
題して「順位戦C級ウォッチング」をやっていこうと思います。

第一回は▲富岡八段△片上六段の対局より。

富岡八段といえば角換わり腰掛け銀先後同型の「富岡流」で有名ですね。
まさに角換わり将棋のスペシャリスト。
最近では丸山九段と並び一手損角換わりの連採が目立ちます。

対する片上六段は東大卒棋士としてこと有名ですが、
盤上では居飛車振り飛車問わず指しこなす器用さのある作戦家という印象を受けます。

将棋の方は手損のない正調角換わりになりました。
序盤早々後手の片上六段が端歩を突く工夫を見せたため、
「それはヌルい」とばかりに富岡八段が棒銀で先攻する珍しい展開に。

第1図

定跡形の先手棒銀であれば△9四歩の代わりに△4四銀となっている局面。
△4四銀は▲1二香成に△3三桂と逃げる余地を作りつつ飛車を押さえ込む狙いですが、
実際は△9四歩なので1手パスしたようなもの。
攻めることが出来る先手が悪いはずがなさそうですが、具体的にどうするかは案外難しいようです。

実戦は▲1一香成としましたが、数手後にこの成香が狙われてしまいました。
それがこの△2二銀。

第2図

以下▲1二成香△3三銀と進みます。

第3図

遠くの飛車がここまで利いてきました。
▲1一成香とすると先ほどの局面に戻ってしまうので▲2一成香としましたが、
△同金と払った局面は後手陣もさっぱりした形。
形勢は難しいものの、駒損で仕掛けた割には成果があがっていないと言えそうです。

この後も富岡八段が攻め続けますが、片上六段が的確に応対して投了に追い込みました。
珍しい戦型で変わった千日手模様もあり、非常に面白い将棋だったと思います。

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